新潟大学前駅は大学前なのか？
あなたは新潟大学前駅を知っているだろうか。知らない方のために説明しておくと、新潟大学前駅は新潟大学まで徒歩15分と超好立地の駅であり、それにもかかわらず駅前ロータリーは混雑とは無縁、車の乗り入れも非常にスムーズである。働き方改革を推進する本駅は窓口が閉まっていることが多々あるが、改札前には本部直通の電話が用意されているためサポート体制は万全、安心である。本駅にはJR越後線が通っていて、越後線は赤子の寝息程度の風でも運休する超安全設計となっている。こうした素晴らしい施設・環境を持つ新潟大学前駅だが、新潟大学Twitter界隈ではなぜか「新潟大学前（大嘘）駅」などと呼ばれ揶揄されているらしい。というのも、「大学まで徒歩15分は大学前とは言えない」「駅から大学まで案内標識通りに進むと遠回りになる」などの理由から新潟大学前駅は嘘つき呼ばわりされているようだ。たしかに、大学まで徒歩15分かかる駅を「大学前」と言っていいかは少し疑問である。また、案内標識通りに進むと遠回りになるというのは私も受験のときに騙された経験がある。しかし、だからと言って嘘つき呼ばわりするのはいかがなものだろうか。もしかしたら他の大学前駅もこんなものなのではないか。そうだとしたら、揶揄されるべきは駅そのものではなく「大学前」という概念そのものなのではないか（？）
ということで本記事では、他の大学前駅が大学までどれくらいの距離なのか計測し、それらと比較して新潟大学前駅が大学前と名乗るにふさわしいかどうかを検証していきたい。私は、新潟大学前駅を根拠なき批判から救いたい。
大学前駅の選定
まず全国の「大学前駅」をリストアップする。この作業が一番ダルそうだったが、検索してみると都合よく以下のブログが見つかった。大学前駅の選定はこのブログを基本とした。
このブログで挙げられている全77駅から、今回の検証に不適切な11駅を除外した。除外した駅は以下の通りである。キャンパスが移転され名前だけが残った駅、「学園都市駅」といった特定の大学の名称を用いない駅などを除外した。
基本的には大学前駅、またはそれに準じる駅（○○大駅、地名・○○大駅など）を「大学前駅」として扱った。残った駅数は新潟大学前駅を含む66駅である。
今回の検証では駅から大学の敷地までをGoogleEarthを用いて直線距離で測った。実際の歩くルートではない点はご容赦いただきたい。また、大学の敷地っぽいところの端までを勝手に判断して測ったので間違っている可能性もあるが、そこらへんはなあなあでお願いしたい。それでは結果を見ていこう。
結果（遠い順）
遠い順第3位は大分県にある別府大学駅である。駅から大学までは直線距離725m、徒歩約10分。ホームから電車までの距離が近いため臨場感が味わえるのがこの駅の魅力だ。
第2位：板倉東洋大前駅（８００ｍ）・群馬、東洋大学板倉キャンパス
第2位は板倉東洋大駅で800m、徒歩約10分であった。東武日光線の駅で唯一群馬県にあり、群馬県最東端の駅である。駅舎は大きく新しい。新潟大学前駅とは雲泥の差である。
第1位：あいの里教育大駅（１３４３ｍ）・北海道、北海道教育大学
栄えある第1位は北海道の「あいの里教育大駅」で1343m、徒歩約20分であった。この駅は札幌市のニュータウンとして整備された「あいの里」に近接する駅で、検証に含めるか迷ったが教育大の名称を用いているためランキングに加えた。大学前駅の中では唯一１ｋｍを超え、北海道の雄大さを物語る結果となった。
上位3位は以上の通りである。さあ、肝心の新潟大学前駅はどうだろうか。ランキング一覧は以下の通りである。
新潟大学前駅は第6位・６１８ｍであった。大学前駅から大学までの平均は約２３１ｍであり、新潟大学前駅はその約２．７倍であった。新潟大学前駅を根拠なき批判から救うはずが、大学前であることを偽っている可能性を示唆する結果となってしまった。第２位の板倉東洋大駅が大学まで徒歩約10分なので、大学まで徒歩15分ほどかかる新潟大学前駅は日本トップレベルに遠いと言って良いだろう。その他の大学前駅は大学まで０ｍというものも多く、下のグラフでもわかる通り、新潟大学前駅はなかなか遠めである。
感覚的には分かっていたが、他の駅と比較して新潟大学前駅が大学前であると言うのは少し無理があるようだ。しかし新大Twitter界隈でも指摘があるように、国立大学が駅から徒歩15分ほどにあるというのは恵まれている環境なのかもしれない。「新潟大学前駅は越後坂井駅に改名しろ」という声も上がっているが、全然大学前じゃないのに大学前と言い張るその可愛らしさを、みんなで愛でていこうではないか。
拙い文章と調査方法だったが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私は新潟大学前（大嘘）駅のことが大好きです。
